このようにある五感の情報から他の情報をイメージする働きを「連想」と呼びます。
「空想」はそれに比べて、比較的非現実的でかつ創造的なイメージを指すものといえるでしょうか。
直面する喫緊の課題に目を向けずにその時の感情や欲求により新たなシーン(現実外のもの)に自分
をおくこともあります。マンガのヒーローになったり、成就しない恋愛に思いをはせたりします。
ところが、「妄想」はというと多少悪い意味で使われることが多いです。病的な症状から派生してく
る誤った判断をいいます。内容が現実から乖離している場合も多いのですが、妄想している方にとっ
ては「不都合な真実」だといえるでしょう。たとえば次のようなものです。
★海外出張している彼が浮気をしている。
★私は夫にだまされて結婚した。
★日本は放射能に汚染されている。
一般に被害妄想・関係妄想・誇大妄想のように,内容によって名称が変わります。 なお、幻覚はその
場にないものを実際にあるように知覚することをいいます。
(統合失調症などの疾患に派生する症状で、ゴキブリが壁一面にいる・など)
一般的な感覚では「妄想」はカンタンに修正できると考えられがちですが、実際には前頭葉でコント
ロールすることが難しい症状でもあります。
考えているうちに、どうしてもガマンできなくなって彼に「メール100連発」したりするのも、そ
の解決が通常の方法では脳の興奮が収まらないためです。イライラ感や絶望感・恐怖感が全身を襲っ
てきます。身体がガクガクしてくることもあります。
妄想がピークになると、カウンセリングや催眠療法・認知療法など言葉で改善を図る手法は効果があ
りません。精神科や心療内科での治療が求められます。
発達障害やアダルトチルドレンとも密接な関係があります。
山手心理相談室では、なるべくそのような状態になりにくくするSSTとカウンセリングを採用して
います。妄想が空想段階で止まっていられるよう一緒に頑張りましょう。